横浜市中区尾上町 内科 外科 消化器内科 循環器内科
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形成外科外来

金曜日 9:00~13:00

形成外科外来

形成外科は、生まれつきやケガや手術など様々な要因によって生じた体表の形態や機能の不具合を、さまざまな手技を用いて外科的に改善させる診療科です。当科で扱う部位は顔面を中心として頭部から足先にかけて多岐にわたります。
これまで大学病院や総合病院の専門外来で培った経験を活かし、ご本人が気に病み人目を避けたいと思っているような不具合に対して最適な治療を行うことにより、早期の社会復帰を促し、生活の質の向上につなげていくことを心がけています。
まずは、外来でお気軽にご相談ください。

佐久間 恒(東京歯科大学市川総合病院)

  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本形成外科学会再建マイクロサージャリー分野指導医

専門

形成一般、マイクロサージャリー、リンパ浮腫、顔面神経麻痺再建

略歴

1997年
慶應大学医学部卒業後、慶應大学形成外科入局
1998年
平塚市民病院形成外科医員
1999年
総合太田病院(現・太田記念病院)外科医員
2000年
都立清瀬小児病院外科医員
2001年
慶應義塾大学形成外科助手
2002年
岡山大学形成外科医員
2003年
国立成育医療センター形成外科医員
2004年
大田原赤十字病院(現・那須赤十字病院)形成外科診療部長
2006年
横浜市立市民病院形成外科診療科長
2020年
東京歯科大学市川総合病院形成外科講師
慶應義塾大学形成外科非常勤講師(顔面神経麻痺外来を担当)

主な診療

顔面神経麻痺

眼を閉じられない、眉毛をあげられない、口を閉じられない、口角をあげられない、眼と口が同時に動いてしまうなどの症状がみられます。うまく喋れない、よだれが出るなど日常生活に支障をきたすこともあります。

【治療】
・急性期
保存的治療として、抗ウイルス薬及びステロイドの投与を行い、ウイルス感染による神経浮腫とそれによる虚血の神経の変性を阻止します。
多くの場合投薬により自然回復しますが、ハント症候群や外傷、腫瘍切除後によるものの中には、保存的治療だけでは回復が悪く、早期に神経自体を修復または増強し早期回復を目指す外科的治療が必要となる場合があります。

・慢性期
表情筋機能をより正常に回復させるためにはリハビリテーションも重要ですが、間違った方法での治療は以下の後遺症を悪化させることがあります。しかしながら、正しいリハビリテーションを行っていても残念ながら後遺症を残すことがあります。後遺症には大きくわけて以下の2つの状態があり、部位や症状の程度に応じて保存的治療や外科的治療を適宜組み合わせて行っています。

①顔面神経不全麻痺(麻痺の残存)、顔面拘縮(顔のひきつれ)
原因:神経損傷が強く、神経再生が不十分のために起こります。
症状:①筋力低下による安静時の左右差(眉毛、瞼の下垂、口唇のゆがみ)
症状:②運動時の左右差(瞼が閉じられない、自然に笑えない)

②病的共同運動
原因:神経再生の過程で過誤神経支配(本来とは異なる表情筋を再支配してしまう)により起こります。
症状:①食事のときに瞼が閉じてしまう。
症状:②顔の半分が全体的に同時に動いてしまってつらい。

①顔面神経不全麻痺(麻痺の残存)、顔面拘縮(顔のひきつれ)
原因:神経損傷が強く、神経再生が不十分のために起こります。
症状:①筋力低下による安静時の左右差(眉毛、瞼の下垂、口唇のゆがみ)
②運動時の左右差(瞼が閉じられない、自然に笑えない)

②病的共同運動
原因:神経再生の過程で過誤神経支配(本来とは異なる表情筋を再支配してしまう)により起こります。
症状:①食事のときに瞼が閉じてしまう。
②顔の半分が全体的に同時に動いてしまってつらい。

※保存的治療
・ボツリヌストキシン局注療法
病的共同運動または拘縮の原因となっている表情筋にボツリヌストキシンを局注することで、異常収縮を軽減させ症状の緩和が期待できます。ただし、薬剤の効果がなくなる3~4ヶ月に1回の頻度で繰り返す必要があります。

※外科的治療
主に安静時のバランスを改善する静的再建術と運動機能を改善する動的再建術の2つに分けられます。
・静的再建術
表情を静止している状態において、左右が対称になるようにします。
麻痺症状に対して皮膚を切り取ったり、糸や筋膜などで顔面の左右のバランスを図ります。
多くは局所麻酔下に日帰り手術で可能です。
・動的再建術
神経や筋肉を移植して表情を動かせるようにします。
発症より1年以内は神経再建を行うことで改善が見込まれます。発症後1年以上経過している場合には、もともとの表情筋がすでに萎縮していることが多いため、神経移植のみでは効果が乏しく、筋肉を移行、または移植する手術が必要となります。
全身麻酔下での手術となるため、連携施設をご紹介します。

【連携先】
横浜市立市民病院、東京歯科大学市川総合病院、慶應義塾大学病院

リンパ浮腫

血液のほとんどは心臓のポンプ機能により動脈血として全身へ送られ、静脈血として心臓に戻りますが、一部は組織に染み出しリンパ液としてリンパ管内を通り心臓に戻ります。このリンパ液の流れが阻害されると、むくみなどの症状が出現します。これをリンパ浮腫といいます。
発症原因には原発性(もともとリンパ管の機能が弱い)と続発性(治療でリンパ節を切除したり、リンパの通り道がダメージを受けた)に分けられます。

【治療】
保存的治療(理学療法)
用手的リンパドレナージ(マッサージ)、弾性包帯やストッキングによる圧迫、運動療法などを行います。

外科的治療(手術療法)
リンパ管静脈吻合術(LVA:lymphatico-venous anastomosis)は、機能が残存しているリンパ管と静脈を吻合することにより、うっ滞したリンパ液を効率よく静脈内へ還流させることで浮腫を軽減させる治療法です。リンパの局所的なうっ滞を解消することにより、さらなる浮腫の悪化や皮下への脂肪沈着の予防につながるだけでなく、蜂窩織炎の頻度を下げる効果も期待できます。

【連携先】
横浜市立市民病院、東京歯科大学市川総合病院、慶應義塾大学病院、ナディスよこはま、東神奈川とさき治療院(女性のみ)

臍ヘルニア(でべそ)

腹壁の筋肉が弱くなっている小さな隙間(ヘルニア門)からお腹の中の脂肪や小腸が脱出または突出することにより臍が変形する状態をさします。咳など腹圧をかけたときに臍が突出するものから、筋肉の隙間は閉じたものの、皮膚の余剰が残存したり、臍が大きく変形したりして、整容面で不具合をきたすものなど様々です。多くは局所麻酔下での日帰り手術で治療可能ですが、筋肉の隙間が大きい場合は全身麻酔下での手術が必要となります。

【連携先】
横浜市立市民病院、東京歯科大学市川総合病院

眼瞼下垂

まぶたが垂れて瞳孔にかぶさっている、まぶたを開けていられないといった症状がみられます。眼瞼下垂は頭痛や肩こり、疲労の原因にもなるといわれています。また、まぶたを開けるためにおでこの筋肉を利用することで、眉毛の位置が上がったり、おでこのシワが目立つようになったりします。また、顔面神経麻痺の一症状として現れる場合があります。

外科的治療法には、余剰皮膚切除術(緩んで垂れ下がったまぶたを切除する方法)、挙筋前転術(上まぶたを切開し、たるんだ腱膜や筋肉を前方へ引っ張り、瞼板に縫い付ける方法)、前頭筋吊り上げ術(瞼板とおでこの筋肉を繋ぎ合わせる方法)があります。

【連携先】
横浜市立市民病院、東京歯科大学市川総合病院、慶應義塾大学病院

皮膚腫瘍

皮膚表面や皮膚の下にできるできものをさします。
ほくろやイボ、粉瘤などがあります。

粉瘤

背中やうなじなど、様々なところにできます。皮膚の下や内に袋をつくり、その中に垢や脂がたまることでできます。
感染がみられない場合は、皮膚を切開し、袋ごと摘出します。感染のない場合は、抗生剤などで鎮静化した後に袋を摘出します。感染がひどい場合は一度膿を排出し、傷が落ち着いた後に袋を摘出します。

脂肪腫

様々な部位に発生し、特に背中や肩、首に多くみられる良性の腫瘍です。大きさも小さいものから大きいものまで様々です。血管の多いものは、血管脂肪腫とよばれます。皮膚を切開し、除去していきます。

ほくろ

小さなほくろはメスやパンチを使ってくり抜いていきます。大きめのほくろは切除して縫い合わせます。